「歯磨き粉は何を使ったらいいでしょうか?」という質問が時々あります。
確かに市販されている歯磨き剤は多種多様で、迷ってしまうと思います。ペースト状の物が一般的ですが、粉末、液体の物もあります。配合されている成分にもいろいろあって、フッ素、キシリトール、塩、ハイドロキシアパタイトなど挙げたらきりがありません。茄子の黒焼き入りというものもあるようです。効能も虫歯予防、歯周病予防、口臭予防など様々です。
結論を言うと、何でもお好きな物をお使い下さい。でも、実を言うと歯磨き剤は特に必要ありません。基本的には何もつけない歯ブラシでみがいていただきたいのです。多くの歯磨き剤にはメントールなどのスーッと爽快になる成分が入っているために、歯垢(プラーク)がじゅうぶんとりきれていないのに歯みがきを終わらせてしまいがちだからです。また、歯を白くする目的で研磨剤が配合されていることが多いので、歯みがきのたびに使用すると、歯の表面が削れてしまいます。歯垢の除去という目的からは歯磨き剤というのは不要と言っていいでしょう。
だからといって決して使ってはいけないということではありません。たとえば歯みがき嫌いのお子さんが好きな香りのペーストを使うことで、きちんと歯をみがくようになったら、それは賢い使い方といえるでしょう。要するに歯みがきの補助剤として使うことをおすすめしたいのです。何もつけずに磨いてきれいにした後でフッ素やキシリトール配合のペーストを歯にすり込むように使えば、虫歯予防効果が期待できるでしょう。お茶やコーヒー、赤ワインなどをよく飲む方は色素沈着が気になるかもしれません。そんなときは1週間に1度くらい、歯を白くする歯みがき剤を使って頂くといいかもしれません。それぞれの歯みがき剤の効能を知って、ご自分の目的に合わせて選んでみて下さい。
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