大島歯科医院 OSHIMA DENTAL OFFICE
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リンゴをかじると歯ぐきから血が出ませんか?」
40歳代以上の方ならよくご存知かと思います。30年ほど前でしょうか、一世を風靡した練り歯磨きのCMコピーです。当時流行語大賞があったならグランプリにかがやいていたかもしれないほど、インパクトのあるCMだったと記憶しています。このCMによって「歯槽膿漏」という言葉が日本中に広まったのですから、貢献度は高いと言えます。そのせいでしょうか、中高年以上の方には「歯周病」という言葉よりもなじみやすいようです。そんな理由からか、患者さんに説明するときにあえて「歯槽膿漏」という言葉を使う歯医者さんもいるようですが、最近ではコマーシャルでもめったに聞くことがなくなって、代わりに「歯周病予防」、「歯周病と闘う」など、「歯周病」という言葉がよく使われています。どうやら同じような意味で使われていたようなのですが、厳密に言うと少し違います。「歯周病」というのは、歯肉炎や歯周炎のような歯を支えている組織の病気全体を指していて、「歯槽膿漏」はこの中に含まれるひとつの症状を指すと言えるでしょう。
冒頭のCMの話にもどりますが、リンゴをかじると歯肉から出血するかどうかを、歯周病のチェックポイントとしているわけです。確かに、リンゴをかじったくらいで出血するようなら、歯周病を疑った方がいいでしょう。しかし残念ながら練歯磨きを変えたくらいで治るとは思えません。もっと根本的な治療が必要でしょう。歯周病は自覚症状がないまま進行する病気です。最近は若い人の歯周病が増え、20歳代でも70%の方がかかっているといわれ、年齢とともにその割合は高くなっています。口臭や歯肉出血のような気になる症状がない方でも、地域の歯周病検診や、歯科医院での詳しい検診をおすすめします。