資料の紹介

←英語で書かれたものとしては最古?の三十年戦争の解説本。写真は初版で1759年刊。

ちょっと、見られる状態ではないので、製本し直そうか悩んでいるところ。

ちなみに、第三版は版型が小さくなって二冊本になっている。そちらは1807年刊。

・三十年戦争関係

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スウェーデン語で書かれた本。グスタヴ・アドルフに関する事柄をカラー・イラストを交えて事細かに紹介している。
 左はスウェーデン軍の将軍達の挿し絵。
『GUSTAV II ADOLF och hans folk(グスタヴ2世アドルフとその国民)』/Gote Goransson
『The History of the Life of Gustavus Adlpus』/Harte,Walter
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『Monro,His Expedition with the worthy Scots Regiment called Mac-Keys』

 本書は三十年戦争に参加したスコットランド人、ロバート・モンロが記したスコットランド人連隊Mac-Kayの記録。今日では珍しくもない連隊史という形態は、この当時のものとしては珍しく、この時代を研究する者にとっては貴重な資料のひとつと考えられています。なぜなら、この頃までは大抵、自分を中心にした事柄が綴られるのが当たり前だったという事情があります。一方のモンロは自身が所属した部隊の記録を淡々と記し続けました。そこには彼の部隊がその日に行軍した距離や、彼らがもらった給料のことなどが記されています。どちらかと言えば、雑学本に近いですが、兵士の目から見た当時の状況や、なによりも彼が従軍した1629年〜1633年間におけるデンマーク軍とスウェーデン軍についての記録が残っていることが貴重と言われる由縁です。
 ちなみに、モンロが所属したMac-Keys部隊は当初、デンマーク軍として三十年戦争を戦い、その後はスウェーデン軍に加わって各地を転戦、1631年にはブライテンフェルトの会戦にも参加しています。モンロ自身は帰国後の1680年に没しています。