みちのく紅葉の旅 (平成17年11月2日〜14日)

今年の東北の紅葉は、平年より10日から2週間遅れているようだが、ようやく色付き始めたとの情報により、「みちのく紅葉の旅」に出かけることにした。
今回は、南東北の山形・福島を中心に放浪し、茅葺き民家と紅葉と温泉を楽しむ積もりだが、茅葺き民家は、茅葺き民家模型制作の第一人者「夢想庵」さんから頂いた情報を基に訪ね歩く事になる。

11月2日(水)
昼間所用があり夜の8時に横浜を出発する。
この時間に行けば高速道路はETCの30%割引が適用されるのが魅力だ。
首都高が渋滞でこれを抜けるのにずいぶん時間が掛かってしまったが、東北自動車道に入ると車の通行量は格段に少なく、オートクルーズのセッテングで定速走行の快適なドライブを楽しむ事が出来た。
年齢の事を考えると徹夜は疲れるので、途中「安達太良SA」で夜食を食べて3時間ほど仮眠する。
夜明けと共に起き出し、コーヒーを飲んで出発、東北自動車道古川インターを8時に出て、国道47号線を西に向かって走る。
高速代は5600円、これで約3000円近い節約になった。
しばらく走ると道路の渋滞が始まった。考えてみれば今日は飛び石連休の初日で、紅葉も見頃、天気は良いとなれば渋滞するのも当然だ。
平素は休日はなるべく出歩くのを控えているのだが、今回ばかりはかち合ってしまった。渋滞の中で、茅葺き民家監視役の女房が茅葺き民家を見つけたので、Uターンして写真を撮りに行く。かんぴょうを干していた親切なおばあさんに色々と話を聞くことが出来た。
鳴子峡まで約15〜16 kmのろのろ運転が続き、鳴子峡の橋をすぎると車が少なくなり、順調に走る事が出来た。
途中新庄のスーパーマーケットで昼食を仕入れ、最上川船下り乗船所であるところの旧戸澤藩船番所へ向かう。
船はたまたま2人しか居ないと言う女性の船頭さんの船に乗り合わせることができ、12kmのコースを約1時間かけて船頭の楽しいお喋りや歌を聞きながら、周りの素晴らしい紅葉を楽しみながら下って行く。
松尾芭蕉がこの川下りをしたのは初夏の頃なので、この紅葉は見ていないのだろう。 
         「五月雨を集めて早し最上川」
この時期に芭蕉が船下りをしたら何と読んだのだろうか?

終点のリバーポートに着いて、バスで元の船番所に戻り、、今宵の宿「道の駅・庄内みかわ」に着く。この道の駅にはスーパーマーケットも、温泉もあり、温泉に入り冷たいビールを飲んで、8時前には早々に寝入ってしまった。

船下り乗船所 最上川河畔の紅葉 白糸の滝
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11月4日(木) 晴れ
夜に降りだした雨も上がり、やや寒い朝だ。道の駅の駐車場には県外ナンバーの車泊の車が何台も駐車している。みんな東北の紅葉を見に来たのだろう。
コーヒーを沸かし昨日買って置いたサンドイッチを食べ、道の駅を8:30に出発した。
今日は頑張って羽黒山に2446段の石段を歩いて登る事にした。
羽黒隋神門を通って、国の天然記念物に指定されている羽黒山杉並木の間の石段を登ってしばらく行くと国宝五重塔が見えてくる。
樹齢300〜600年の杉の大木に囲まれて建つこの五重塔は、平将門の創建と言われており東北最古の五重塔である。
老杉並木の間の石段「一の坂」を越え、「二の坂」に入った頃から、汗びっしょりで大分息が上がってきて足が上がらなくなってきた。
ちょうどその頃の坂の途中に茶店があり、「地獄で仏(ここでは神かな?)」とばかり床几に座り込んでしまう。抹茶と力餅を食べてホット一息つくことが出来た。
実に絶妙のタイミングで茶店が現われる。これじゃ殆どの人が立ち寄りそうだ。
しかしこの茶店も、冬支度で今週一杯で閉めるとのことであり、良いタイミングで訪れたものだ。
力餅を食べ汗も引いて元気を取り戻し再び「二の坂」の急な石段を登る。足を踏み外すと下まで転げ落ちそうな急な階段だ。
「二の坂」の途中に、松尾芭蕉も滞在したと言われている南谷への分かれ道があり、紅葉もきれいなので寄ってみる事にした。
全く人影も無く池に映った紅葉が見事であった。
再び「二の坂」に戻り、フゥフゥ言いながら、ようやく「三の坂」を登り切り、三神合祭殿に着いた時は、出発してから1時間半掛かっていた。車で来れば15分くらいか?
1400年の歴史を有する出羽三山は東北仏教文化の中心として栄えたが、明治の神仏分離令により廃仏毀釈の風潮の中で仏教は排除されたが、今でも隋神門や五重塔、鐘楼が仏教が栄えた頃の名残として残っている。
月山、湯殿山、羽黒山の神は、羽黒山の三神合祭殿に祭られており、ここに参拝すれば出羽三山を全て参拝した事になるそうだ。朱印を頂いて再び2446段の石段に挑戦する。この石段を走破すると写真のような認定書がもらえる。(無料)
ようやく隋神門へたどり着き、汗だくになったシャツを着替えて、近くのレストランで遅い昼食をとる。
近くの玉川寺の見事な庭園を拝観して、日本海沿いにある「道の駅あつみ」に向かう。今日も疲れたので近くの温海温泉でゆっくり汗を流し、道の駅のレストランで、冷たいビールと新鮮な魚の刺身定食を食べ早々に就寝する。

国特別天然記念物 羽黒山杉並木
国宝五重塔
 二の坂の茶屋
南谷
  羽黒山参道石段 踏破認定書
国の重要文化財の鐘楼と大鐘

11月5日(土) 晴れ 12℃
今日も良い天気だ。この道の駅「あつみ」は海岸のそばにあり、この近くは磯釣の良いポイントがあるようだ。黒鯛の「なぎさ釣」はここ温海が発祥の地だとか・・・
昨夜道の駅に仮眠していた仙台から来たと言う3人の釣師は、夜明け前に磯に入って行ったようだ。磯釣をしばらく見ていたが釣れそうに無いのでコーヒーを飲んで出発することにした。
道の駅のすぐ近くにある県指定天然記念物の見事な臥龍松「村上屋の念珠松」を見て、道の駅「月山」に向かう。
ここから月山ダム上流の梵字川渓谷の紅葉を見に行く。ここの紅葉は丁度見頃で全山錦絵に染まり息を呑むような光景であったが、ここは観光ルートから外れているのか人通りが無くたまに地元のカメラマンが写真を撮っているくらいだ。
ダムを渡り山道を越えて、夢想庵さんお勧めの田麦俣のかぶと造り多層民家を見に行く。近くの七つ滝が紅葉に映えて素晴らしいが、滝の近くに行く道が無いので木の間から覗いての写真は撮り辛いところである。
出羽三山詣の古道「六十里街道」が落ち葉を敷き詰めた紅葉のトンネルになっていて、時間があればこの道をゆっくりと辿ってみたいものだ。
しかし今日は湯殿山でのトレッキングを予定しているので、近くの所を写真だけ撮って引き返してきた。
田麦俣の遠藤家の多層民家は、見事なカブト造りで保存状態もよくほれぼれする。
その後、湯殿山大日坊の即身仏に参拝し、住職の流暢な説明に聞き入る。
この大日坊は、明治の神仏分離令による廃仏毀釈の風潮の中で生き残ったもので、他に多くの寺が焼き払われその中には貴重な即身仏も2体あったそうだ。
湯殿山神社に参拝するために湯殿山自動車道に入ろうとしたら停止させられ、3日から冬期閉鎖になって登れないとのことであった。
例年だと今頃は雪のシーズンになっているそうだが、今年は雪も無く紅葉が見頃であり飛び石連休の中だと言うのに杓子定規に閉鎖するのは、お役所仕事と同じではないか?もう少し状況により柔軟に対処できないものかと思ったが、止むを得ず引き返した。
予定が狂って時間が余ってしまったが、早々と道の駅「月山にしかわ」に行き、のんびりと温泉に浸かり、周りの紅葉を楽しむ。

村上屋の念珠松 月山ダムの紅葉
梵字川の紅葉
六十里街道   七つ滝
田麦俣の多層民家
大日坊の山門

11月6日(日) うす曇 5℃
今朝は寒く外気温は5度であったが、天気はまあ〜まあ〜というところで、雨の心配は無さそうだ。今日は1日夢想庵さんに頂いた情報により、寒河江から尾花沢近辺の茅葺き民家の探索をする予定だ。
国道347号線と併行している狭い村道を走ると道の両側に何軒かの茅葺き民家が見られた。いちいち停まって写真を撮っていたが、その内の一軒の老夫婦が家に招待してくれて茶菓の接待をしてくれて、古い写真などを見せてくれ茅葺き民家の維持の大変さと後継ぎのいないことを嘆いておられた。
言葉の3分の1位が理解できないが、温かい心の人達で感動した。
途中に「紅花資料館」があったのでこれを見学したが、その斜め前に黒板塀に囲まれた立派な茅葺き民家があったので写真を取らせて欲しいとお願いしたが断られてしまった。残念・・・
この近辺は蕎麦の名産地で、道路も「蕎麦街道」と名付けられ、街道沿線には多くの蕎麦屋が開店していたが、今日は日曜日のせいかどの蕎麦屋も結構繁盛していた。昼も近くなったので、蕎麦街道から少し脇道に入った所の「三郎兵衛そば」に入ったが、ここは古い茅葺き民家を改造した蕎麦屋であるが、近くにもなかなか良く手入れの行き届いた茅葺き民家が数軒あった。
名物の「板蕎麦」を注文したが、実に美味しい蕎麦であった。
紅葉真っ盛りの蕎麦街道を走り、銀山温泉に着いたのは3時を少し過ぎた頃だったが、日帰り入浴をお願いしたら「3時まで」とのことで断られてしまった。
観光協会に問い合わせ、無人の公共の湯を紹介してもらって、入口の箱の中に200円を入れて入浴した。お湯は源泉掛け流しで熱く長くは入っておられないが、湯質は実によく、なかなか良い温泉で名湯と言われるだけの事はある。
温泉の先の洗心峡に滝があり、そこの紅葉が見頃で素晴らしい。
温泉の後、延沢近辺の県道沿いに数件の茅葺き民家があり、写真を撮るのに忙しく、夕暮れも近づいてきたので一部割愛して夢想庵さんご推薦の五十沢の茅葺き民家の里を訪ねることにした。五十沢の部落を過ぎてもそれらしいものが見つからず、更に行くと狭い山道になり全く人家が無く、この先に茅葺き民家の里があるとは思えなかったので引き返してしまった。
国道13号線に出て、りんごの直売所のお姉さんに聞いた所、我々が五十沢だと思ったのは実は中五十沢で、目的の茅葺き民家の里は更にその奥にあるそうだが、今日は夕暮れも近く暗くなってきたので明日出直すことにして、今夜の宿の「道の駅むらやま」へ向かう。
横浜を出る前にカーナビのソフトを最新版に入れ替えてきたのだが、さすがにこんな山奥には対応できなかったようだ。
夕方から雨になり、夜半はかなり激しく降っていた。明日の天気が心配だ。

洗心峡の滝と紅葉

河北町神社の紅葉
三郎兵衛蕎麦


11月7日(月) 晴れ 15℃
昨夜からの雨も朝方にはすっかり上がり、きょうも良い天気になりそうだ。
道の駅に近所の農家の方が美味しそうなりんごを持ってきたので、2箱買って息子と娘の所に宅急便で送ることにした。
朝食後、昨日行けなかった茅葺き民家の里に出かけた。昨日引き換えしたところを更に奥へ行くと上五十沢の集落があり茅葺き民家の里にたどり着いた。
地元の人に話を聞いた所この集落には30軒近い家があり、そのうち12〜13軒が茅葺き民家で少しずつ無くなっているとのことであった。
また住人は年寄りばかりで若者や子供は一人もいないそうで、この茅葺き民家の里を維持するために市からの補助があるようだが、遠からず消え行く運命にあるような気がして寂しい思いをした。
そのころ夢想庵さんから電話があり、今仕事で山形に来られているのでお会いすることになった。
山形市内に向かう途中でコインランドリーが目に付いたので、下着の替えが残り少なくなっている事を思い出し洗濯をすることにした。
そのコインランドリーに夢想庵さんが来られて初にお目にかかった。
夢想庵さんは想像していたより若く、チョッと俳優の江守徹に似た雰囲気を持った人で、10日に自宅にお訪ねする事を約束してお別れした。
自宅にお伺いして茅葺き民家の模型を見せていただくのが楽しみだ。
山寺に行く途中に運動公園があり、そこの銀杏並木が見事な黄金色に輝き息を呑むような光景だった。
山寺ではまだ紅葉が早いとのことであったので、前回上まで登っていたので今回は下のお寺に参拝して朱印をもらって引き上げる事にした。
その後、蔵王温泉でのんびりと温泉に浸かり、今夜の宿泊場所の「道の駅たかはた」へ着く。

 
  五十沢の      茅葺きの里
山形運動公園の
銀杏並木



11月8日(火) 晴れ 11℃
今日も朝から良く晴れて気持ちの良い天気だ。
地元の散歩に来ていた小父さんの話によると、この近くで採れるマッタケは香りがよく高級品だそうだが、全て東京の有名料理屋に買い取られて地元の人たちの口には入らないそうだ。
昨夜着いた時には暗くて気が付かなかったが、道の駅の近くに立派な三重の塔があり、安久津八幡神社と言う県の重要文化財に指定されており、三重塔が珍しく、また紅葉が綺麗なので写真を撮りに行った。
今日は南陽市の白鷹や川西の方の夢想庵さんお勧めの茅葺き民家を見に行く事にする。筋部落の山の中の茅葺きの一軒家や畔藤や荒砥などの立派な茅葺き民家を数軒見る事が出来たが、この地区にはよく手入れされた大きな茅葺き民家が多く残っている。
米沢に入り楽しみにしていた米沢牛のステーキを食べる事にした。色々調べた中で肉屋が直接経営している「グルメ小僧」でサーロインステーキを食べたが、さすがに評判だけあって美味しい肉であった。
ステーキ屋を出てきた頃から雨が降り出したので、茅葺き民家の写真撮影はあきらめて少し早いが米沢の名湯白布温泉に行きのんびりと温泉を楽しむことにした。
この白布温泉には、西屋・東屋・中屋と三軒の茅葺きの宿があったそうだが、平成12年に火事で焼けてしまい西屋だけが奇跡的に焼け残り、築200年以上という茅葺き入母屋造りの重厚な建物がひときわ異彩を放っているように思えた。
雨の中を西吾妻スカイバレーを通って桧原湖に抜け、今宵の宿の「道の駅喜田の郷」に着く。この道の駅にも温泉があるのだが、今日は良い温泉に入ってきたので割愛して寝る事にした。


安久津八幡神社
の三重之塔
白鷹地区の農家 蔵と茅葺き民家


11月9日(水) 雨 
昨夜からの雨がまだ止まず降り続けている。天気情報によると浜通り(太平洋側)は晴れているとのことなので、今日予定していた五色沼のトレッキングと喜多方ラーメンは中止して、天気の良い太平洋側に向かう事にしたところが、車のエンジンが掛からない。
昨夜はルームライトを長く着けテレビを見ていたのでどうやら車のバッテリーが上がってしまったようだ。寒冷地用の大容量バッテリーを付けていたのだが、テレビは意外と電気を食うものだ。反省・・・今後は気をつけよう。
すぐJAFにお願いしたのだが、来るまでに1時間以上掛かり、結局道の駅を出発したのは10時頃になってしまった。
磐越自動車道のトンネルを越え郡山に入ると雨は上がっていて天気は良くなっていた。今日は女房が所用で帰宅する事になったので新幹線郡山駅まで送って別れることになった。
一人になって気楽な一方話し相手がいなくなりチョッと寂しいか・・・
何処へ行くかを思案していたら、テレビのニュースで霊山の紅葉が見頃だと言っていたので相馬市の霊山に行く事にした。
霊山の紅葉は見頃であったが、着いた頃には雲が出て日が翳っていたので、写真撮影はあきらめて真野川渓谷に行った。ここの紅葉も丁度見頃ではあるが、夕方にもなり写真撮影には適さない状況であった。
渓谷沿いの道路は大型車が通行できず離合が難しい所であったが、幸いにも1台も車に合わなかったので助かった。
今夜の宿は「道の駅そうま」である。
と言うわけで今日の掲載する写真はありません。


11月10日(木) 
朝6時過ぎに目を覚ますと、天気は回復していて今日は日がさしそうなので、朝食も早々にして、昨日写真が撮れなかった霊山に戻る事にした。
国道115号線を走り霊山に着いた頃は、丁度太陽の光が山の半分を照らしていて紅葉が一段ときれいに輝いていた。
この霊山は1100年程前には3600の僧坊を数える東北山岳仏教の一大中心地として栄えたが、南北朝の動乱で全て焼き払われたそうだ。
紅葉の中、できればトレッキングをしてみたいと思ったが、今日は夢想庵さんの自宅を訪ねる約束になっているので下から写真を撮るだけにした。
その後やはり昨日写真が撮れなかった真野川渓谷に再度出かけて行き、朝の光の中の紅葉の写真を撮る事が出来た。
更に高瀬川渓谷の紅葉を堪能して国道399号線に入った。
この国道は、阿武隈山系の山中を縦断している道路で「あぶくまロマンチック街道」と名付けられているが、山道が多く道が狭いため車の通行量は少なく、時たま地元の人の軽トラックが通るくらいのものだ。
この時期阿武隈高原は紅葉の真っ最中で、まるで紅葉のトンネルの中を走って、メルヘンの世界に入ったようで、街道の名の通り実に素晴らしいお勧めのコースだ。
カーナビ君の案内で、いわき市の夢想庵さんの自宅を訪ねるが、周りの家とチョッと雰囲気が違う建物ですぐに見つけることが出来た。
夢想庵さんが出迎えてくれて玄関を入った所で更に驚かされる。太い桑ともみじの大木の柱がデンと立っており、茅葺き民家の模型が2軒展示されている。
案内していただいた30畳はあるかと思われる2階の部屋(屋根裏部屋?)には、所狭しと茅葺き民家の模型が展示されており、その数は40軒を越えているようだ。その間に古びた皿や骨董品がさりげなく置かれているが、私にはその価値は分らない、1枚でウン十万するそうだ。
それらの模型の精巧なのには驚かされる。1/30の模型が大半だが、襖の敷居の溝が1.2ミリで、その襖が全て開閉できるようになっている。
屋根の造りが実に凝っていて、竹や垂木の数まで同じにできている。
来年には展示会を開くそうなので、また見に行きたいものだ。
夕方近くの温泉に連れて行ってもらう。入浴料70円で、シャンプーをすると20円かかる。まるで一昔前の雰囲気だ。
お湯は源泉掛け流しの少し熱めだが良いお湯だった。
夜は焼酎を飲みながら茅葺き民家談義に花が咲いた楽しい一夜であった。

  霊峰霊山の紅葉   真野川渓谷の紅葉 高瀬川渓谷の紅葉
国道399号線の
沿線風景
夢想庵さんの自宅 夢想庵さんの
2階展示場



11月11日(金) 晴れ
夢想庵さんの家の活動が始まるのは早い。5時には起きて暗いうちからお嬢さんと犬の散歩に出かけられる。通常8時ごろにしか起きて来ない私にとっては、まだ宵の口の様な感じだ。
夢想庵さん自作の美味しい秋刀魚の干物で朝食をいただき、平日だと言うのに午前中いわき市近辺の茅葺き民家を案内していただいた。
4軒の茅葺き民家を案内していただいたが、そのうち小名浜港近くの醸造業を営んでおられると言う近藤本家の茅葺きの民家は、そこの庭や蔵も含めて実によく手入れされており素晴らしく感激してしまった。
このような民家は私のようにただ漫然と当てもなく放浪の旅をしているものには見つけることはできないだろう。夢想庵さんに感謝感激である。
その後いわきのただ一つの国宝で、夢想庵さんの散歩コースでもある白水阿弥陀堂に案内していただいてお別れをして、袋田の滝を見に行くことにした。
紅葉の時期ではあるが平日なので比較的空いていて、車もすぐに駐車する事が出来た。駐車場から歩いてトンネルをぬけ滝の展望台に出ると、眼前に幅73m.、高さ120m.の迫力ある滝が現われて圧倒された。今は渇水期であるのにこの迫力はさすがに日本三大瀑布と言われるだけの事はある。
滝の上を回るハイキングコースがあったので、行って見ると急な階段が何処までも続き、足の方が悲鳴をあげ出したので、途中の滝を見下ろす展望台まで行って引き返した来たが、上からの展望は素晴らしく、苦労して登った甲斐があった。
夜は近くの「道の駅奥久慈」で宿泊する事にした。この道の駅にも温泉が付いており、名物の鮎の塩焼きとヒラメの刺身で湯上りのビールを楽しんでいると、突然前の国道で大きな音がして交通事故がおきた。
隣のガソリンスタンドから出てきた小型のタンクローリーが衝突してひっくり返ってしまったのだ。ガソリンが漏れなくて良かったが、もし漏れていて引火でもしていたら、間違いなく大惨事に巻き込まれるところであった。
折角のほろ酔い気分も醒めてしまったが、雨も降り出したので寝る事にした。

いわきの名門
茅葺き民家
いわきの国宝
白水阿弥陀堂
日本三大名爆
袋田の滝

袋田の滝
袋田の滝



11月12日(土) 雨
昨日の夜半から降りだした雨が降る続き、今日は観光日和ではないようだ。
下着の替えが残り少なくなってきた事を思い出したので、近くのコインランドリーで洗濯する事にした。
一人旅の気楽さで、明日は天気もよさそうなので銚子に出て好きな釣でもしてみようと思い立った。インターネットで調べて、銚子の飯岡港の釣り船を予約し、明日は久しぶりにヒラメ釣りを楽しむ事にする。
飯岡に来て以前も利用したことのある温泉に入ろうと思ったのだが、残念ながら閉鎖されていて入ることが出来なかった。
天気も良くなり月もきれいなので、飯岡港の駐車場で今夜は車泊することにする。先日相馬の道の駅で買ってきた、イカ飯の飯の代わりにウニを詰め込んで作った「うに丸いか」をつまみに、冷たいビールを飲んですっかりご機嫌になり、早々とお休み・・・


11月13日(日) 晴れ
朝まだ明けやらぬ港を、右舷6人・左舷6人の釣り人の夢と期待を乗せて船は出てゆく。1時間ほど走った所でヒラメのポイントに着き、ようやく東の空が明るくなってきた頃いよいよ実釣開始だ。
生きたイワシを針に付けて、約40メートルの海底まで下ろす。
何時もながら朝の最初の竿出しは緊張する。
なにしろイメージでは4〜5キロのヒラメが食いついてくるのだから・・・
期待に反してヒラメからの魚信は全く無く、時折餌のイワシが暴れるのが竿先に伝わってくるだけで、大物が近づいていそうな雰囲気だが相変わらず竿先に変化はない。最初の緊張がいつまでも続く訳が無く、風も無いぽかぽか陽気の小春日和の中で、ついついクーラーボックスの中のビールに手が伸び、睡魔にも襲われる。
そうこうしていると、隣の釣り人に当たりがあり2キロ弱のヒラメを釣り上げる。
これを見て俄然やる気を出したが、相変わらずヒラメからの魚信は無い。
ついに船長からの「これで終わりにします」とのアナウンスがありがっくり・・・
港に帰ったクーラーボックスは、ただ氷ばかりがゴトゴトと音を立てるものも情けなや・・・
今日は釣り人12人で3匹のヒラメだ。今日はヒラメの休みの日だったようだ。
このままでは帰れない。
そうだ!勝浦に行こう!
勝浦で真鯛を釣ろう。
急遽思いつき、房総半島の海岸沿いを南下して勝浦に来て船宿を訪ねたら、今はヒラマサのカモシ釣が主体で、鯛釣はやっていないとのことで、ガックリ・・・
そのまま更に南へ行き、白浜の野島崎灯台近くの磯で、月に照らされた太平洋を見ながら、一人淋しくビールを飲んでいるのだった。


11月14日(月) 曇り
房総半島の南端まで来てしまったので、もうこの先行く所が無いので帰ることに決めた。
内房沿いの国道127号線を北上してアクアラインで横浜に出る。
横浜から房総に行くにはこのアクアラインはとても便利なのだが、房総に入ってからがスムーズではない。これではアクアラインの利用価値も半減してしまう。
国土交通省さん 何とかなりませんかね。民間なら大枚かけてこんな中途半端なことはやりませんよ。
昼過ぎには自宅に着いた。結構疲れているようだ。

今回のみちのく紅葉の旅は、夢想庵さんのおかげで充実した旅となり、素晴らしい紅葉と、素晴らしい茅葺き民家と、良い温泉と、美味しい食べ物を満喫する事が出来た。。
総走行距離は約2400kmで、13日間の旅としてはのんびりとした行程であった。

撮影した写真は約850枚で、殆どがデジタルカメラによるものだ。
最近、デジカメを使うようになってから写真の撮り方が雑になってしまった。以前には一枚の写真を撮るのに、構図や絞り・シャッター・光の状況などを考えて撮影して、それぞれの写真に思い入れがあったものだが、最近はただやたらにシャッターを押しまくり、「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」スタイルになり、それぞれの写真に思い入れが少なくなってしまった。
たしかにデジカメは便利なので、もう昔のスタイルには戻れそうに無い。
費用も掛からない事だし、プロの写真家でもないのでこれでもいいとするか・・・・
                       「みちのく紅葉の旅日記」おわり