東北・北海道 放浪の旅(前編)

6月30日  朝の気温28度 晴れ
6月30日10時に、梅雨空の横浜を脱出して、東北・北海道方面の放浪の旅に出かけることにした。
首都圏を抜けるまでは高速道路を利用し、その後はなるべく一般道路を走ることにして、とりあえず今夜の宿泊地は仙台あたりと見当を付けて、常磐高速道路に入った。
常磐高速道路の出口「広野」近くで、猛烈な雨が降ってきて、ワイパーを高速にしても殆ど役に立たないような状況で、危険を感じて近くのパーキングエリアでしばし雨宿りをすることにした。
高速を出て一般道に入ったら雨も止み、のんびりと旅の初日のドライブを楽しんでいたら、いきなりの渋滞に巻き込まれてしまった。
カーナビの情報によると、この先で交通事故が発生しているとの事で、早速迂回路を探して迂回し、事故渋滞を避けることが出来、カーナビ君のお手柄に感謝する。
今夜の宿泊場所は、JAFロードマップで松島の近くの道の駅「おおさと」での車中泊と決めた。
ここ大郷は蛍の里として有名で、蛍の繁殖に力を注ぎ村おこしを行っている。幻想的な蛍の光に照らされながら近くの温泉「夢実の国」の露天風呂で旅の初日の疲れを癒した。

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  松島湾の小島     仁王島           瑞巖寺の参道

(写真の部分をクリックして下さい。)

7月1日  朝の気温19度  曇り
翌日も相変わらずの梅雨空だったが、有名な日本三景の松島と、伊達家累代の菩提寺である瑞巖寺に参拝することにした。日本三景の松島も陸から見ると大したことは無いと思ったが、遊覧船に乗って松島湾を遊覧してみて大小合わせて260以上の小島が点在(その内人家があるのは6島)すると言うその景観は、さすがは日本三景の一つに数えられるだけの事はあるなと思った。
しかもその殆ど岩ばかりの小さな島にも松の木がはえていて、その景観美は素晴らしく、松尾芭蕉が「松島や、ああ松島や、松島や」と詠んだと言われている句も、もしかしたら船に乗って海の上から見た松島を詠んだのではないだろうか?
瑞巖寺は平安時代の初期に開祖された奥州随一の禅寺で、伊達政宗が全国から名工を集めて再建したもので、桃山時代の豪華さが見られる。
この日の夜は国民休暇村「陸中宮古」の海鮮料理コースに釣られて早くも根性無く宿を取ってしまった。
でも言い訳ではないが、この国民休暇村の海鮮料理コースはお勧めです。


7月2日  朝の気温15度  小雨
朝目を覚ますと相変わらずの梅雨空でしとしとと雨が降る天気なので、一気に車を走らせ下北まで行くことにした。陸中海岸の国道45号線「浜街道」はリアス式海岸がそのまま陸につながっている地形なので、いくつもの山の尾根を越えていかなければならないため、曲がりくねった上り下りの激しい国道である。
八戸近くに来るとウニ漁が盛んで、海岸通りはウニ漁師小屋が連なり、その中では取れたばかりのウニを剥いて塩水につける作業が行われていた。
漁師さんに教えられて種差海岸の駅の近くのレストラン「芝亭」で「いちご煮」を食べることにした。この「いちご煮」はウニとアワビを煮たもので、これは絶品で磯の香りがしてアワビとウニの旨みがなんとも言えぬ味をかもし出している。
下北半島では薬研温泉に泊まる予定であったが、その前にとりあえず函館までのフエリーの様子を見ようとフエリーターミナルへ直行した。すると函館行きの最終のフエリーが出港する寸前であったので、迷わずフエリーに乗ってしまった。
一日に3便しかないフエリーなので、これはついていた。薬研温泉と恐山は帰路に寄る事にしよう。

函館に上陸して、椴(とど)法華村の水無海浜温泉に入ろうと思って出かけて行ったが、残念ながら現在工事中で入ることが出来ず、この夜は風呂無しで道の駅「なとわ えさん」にて車中泊となる。

7月3日  朝の気温13度  晴れ
さすがは北海道、本土では梅雨の時期なのに天気は快晴で昼間の気温も18度位で実に爽快である。
大沼公園を一回りして海岸線を昆布漁を見ながら北上し落部から67号線で山中に入り、途中「銀婚湯温泉」に入った。
この温泉は写真のようになかなか風情がある。
この夜の宿舎は、日本海側の国民宿舎「あわび山荘」であわびづくしに大満足であった。

7月4日  朝の気温19度  晴れ
日本海の海岸沿いの国道「追分ソーランライン」を北上し、断崖絶壁と奇岩、シャコタンブルーと呼ばれる深い藍色の大海原が広がる積丹半島を回り、神威岬や積丹岬の神秘的な岩礁を見て、宇宙飛行士毛利さんの故郷余市の道の駅「スペースアップルよいち」で車中泊した。

7月5日  朝の気温20度  晴れ
今日も晴天で北海道にしては朝から暑いが、乾燥しているので気分は爽快だ。小樽で美味しい寿司を食べた後、夕張メロンが食べたくなって高速に乗って札幌を通過して夕張まで一気に走ってしまった。
夕張では農協直営の販売店で夕張メロンを買ったが、残念ながらすぐ食べられるメロンは無く、2〜3日熟成させなければならないとの事であった。夕張メロンを2個買い込んで、南富良野の「かなやま湖畔キャンプ場」で、初めてのキャンプをすることにした。

7月6日  朝の気温18度  晴れ
キャンプ場の朝は気持ちがいい。早朝5時に起床しフライロッドを持って湖に出かけフライを投げてみたが一向に魚が追ってくる気配が無い。魚がいないのか、腕が悪いのか・・・
天気がいいので朝食後「旭岳」へ登ることにした。
標高2290m.の北海道で最も高い山旭岳の中腹の「姿見の池」や「地獄谷」の近くを回って旭岳温泉に入ってキャンプ場に帰ってきて2泊目のキャンプをした。

旭岳姿見の池        旭岳温泉          銀婚湯温泉            積丹半島神威岬                                              

7月7日  朝の気温20度  快晴
連日の晴天で、今日はラベンダーで有名な富良野の「フアーム冨田」へ出かけてみた。昨日は日曜日だったためすごい人出で道路も相当に渋滞したようだ。
幸い平日の朝比較的早かったため道路も空いていて駐車場も空いていた。
ラベンダーが見頃で見事である。なかなか文章では表現できないので写真で感動の一部でも感じ取っていただければと思います。
その後十勝岳の中腹の「十勝岳温泉」に行った。ここの露天風呂「吹上露天の湯」は映画「北の国から」で宮沢リエが田中邦衛と一緒に入った露天風呂だそうだ。
この温泉は男女混浴で、全くの露天でちょっとした脱衣所があるだけで、女性はなかなか入りにくいようだ。
晴天下の露天風呂もなかなかのものだ。

国道237号線の沿線にある美瑛の「フラワーパーク美瑛」は、丁度ひまわりが満開で壮観である。
夜は温泉付きの道の駅「ひまわりの里・サンフラワー北竜」で車中泊とした。

  吹上露天の湯       美瑛ひまわり畑      フアーム冨田のラベンダー     ポピー   花の絨毯

7月8日  朝の気温13度  快晴
今日も朝から晴天で気温もかなり高くなってきて、25度を超えそうである。
天気がいいので「北海道の尾瀬」と言われている「雨竜沼湿原」をトレッキングすることにした。この湿原は標高850m.の台地に東西4km.、南北2km.に渡って広がる日本有数の山岳型高層湿原帯で、大小百数十個の地塘(ちとう)と呼ばれる沼が点在し夏には多くの花が咲き乱れることで知られている。
砂利道の山道をまるでサファリーラリー並にもうもうと砂塵を上げながら30分ほど走るとゲートパークがあり、そこから徒歩で往復約14〜15km.のトレッキングコースである。
湿原までの登山はかなり厳しい所もあるが、湿原の中は木道がよく整備されていて快適なハイキングが楽しめるが、ゲートパークに帰り着くまでには4〜5時間かかり着いた時にはかなりへたばっていて、日頃の運動不足を痛感させられた。
夜は昨夜と同じ道の駅の温泉でゆっくりと疲れを癒した。

  湿原登山口        白糸の滝         湿原の木道         地塘

7月9日  朝の気温19度  快晴
相変わらずの晴天で朝から既に外気温は20度近くになっている。旭川は暑いのでこれを通り抜けて日本海側の天売国道「日本海オロロンライン」へ出る。この街道は日本海の海岸沿いに稚内まで続いており、左に天売島と焼尻島を見て延々と果てしなく続く道路、視線を遮る物が全く無く、広い空、青い海を眺めながら快適なドライブが楽しめる。
この天売(てうり)島と焼尻(やぎしり)島は海鳥の楽園、密林と原生花の島として知られており、先週末はウニ祭りが行われていたが、今回は遠景を見るだけで割愛し次回に譲ることにした。

オロロンラインを北上して、左に利尻富士が見える頃、右手にサロベツ湿原が現われる。
水平線の彼方まで続くのかと思われる日本一の湿原「サロベツ湿原」は、2300haにも及ぶため息が出るほど広大で北海道のスケールがそのまま肌で感じられる雄大な自然の宝庫である。この湿原の中心にはビジターセンターがあり、そこから一周約1.1kmの木道があり、湿原の中を散策できるようになっている。
しかし、今年は5月に霜が降り花が全滅してしまったそうで、花の数は少なかった。
また湿原が年々少しずつ乾燥しており、このため笹かはびこって来てエゾカンゾウ、水芭蕉、アヤメなどの花が退化してきているそうだ。さらに心無い観光客が花を根こそぎ引いて持って帰ることもあるそうで、ますます花の数が少なくなってしまいそうだ。

日本一の規模を誇る「大規模草地牧場」は、見渡す限り牧場が続くなだらかな丘陵地帯に1500頭もの乳牛が放牧され畜産の町ならではの牧歌的風景画広がっている。

サロベツ湿原より利尻富士   草地牧場より利尻富士を望む

さらにオロロン街道を利尻島、礼文島を左に見ながら北上すると稚内に着く。夕方から空模様があやしくなり、少し雨が降り出してきそうで、またしばらく野営が続いたので今夜は宿をとることにした。
遅くに宿を予約したため夕食が無く、宿の主人に稚内の美味しい店を教えてもらって街中に出かけていった。
教えられた店の大衆居酒屋「えぞ番屋」は、評判どおり混んでいて満席に近かったが、幸い入れ違いに帰った客がいてすんなりと席にありつくことが出来た。
この店は期待に反せず安くて美味しい。特にボタンエビとウニとイカが美味しかった。

7月10日  朝の気温15度  小雨
今日はフエリーで礼文島、利尻島へ渡る予定であったが、朝からしとしとと降る雨で、予報では明日まで降り続けるようだ。この雨では島に渡っても仕方が無いので稚内で天候回復待ちでもう一泊することにした。
時々降り出す小雨と強い風で、半袖ではとても寒くて我慢が出来ない状況の中で、日本最北端の地「宗谷岬」とノシャップ岬を見て、稚内温泉「童夢」へ入って体を温めた。
この温泉「童夢」は、宿の主人に教えてもらったのだが、最近出来た温泉で日本海に面してその向こうに利尻島が見え、天気の良い夕方には最高の見晴らしであろうと思われたが、残念ながらこの日はどんよりとした曇り空で、何も見えなかった。

7月11日  朝の気温14度  小雨
稚内で天候回復を待って3日目、気象庁の天気予報では翌日から天気は回復するとの予報が出ていたので、夕方のフエリーで礼文島に渡ることにした。
当初車を置いて人間だけで渡るつもりだったが、稚内では車の盗難が多いと聞かされ、また礼文島と利尻島の宿が全部満員で予約できなかったこともあり、車で渡ることにした。
稚内ー礼文島ー利尻島ー稚内のフエリーが往復割引を入れて二人で約45000円であまりの高さに驚いた。
聞く所によるとこの東日本海フエリーは日本一高いのだそうだ。
日本最北端の地と間宮林蔵  ノシャップ岬

礼文島へ行くフエリーの中で、鹿児島から来た夫婦と、姫路から来たと言う夫婦連れにあった。片方はキャンピングカーで、もう一方はワンボックスカーを改造して中で宿泊できるようにしていた。
どちらも一ヶ月くらいの予定で出かけてきたとの事で、同じようなことを考える人が多いのに驚き、また何となく嬉しくなってしまう。

礼文島にはキャンプ場が2ヶ所あり、一つは森の中の緑ヶ丘公園キャンプ場、他の一つは久種湖畔キャンプ場で、我々は湖畔のキャンプ場に決めてテントを張ることにした。鹿児島と姫路組は何処へ行ったのだろうか?

7月12日13日  朝の気温16度、14度  両日とも小雨
天気予報に反して今日も朝から霧雨のような小雨が時々降る天気で、どうもすっきりしない。
礼文島でキャンプを2泊したが、3日間とも雲がどんよりと垂れ込めてすっきりしない天気が続いた。全く気象庁の天気予報も当てにはならない。
島内のハイキングコースは道がぬかるんでいてどろどろになりそうなので車で回ることにした。
礼文島は日本最北端の島で、本州では2000m.級の山に咲く高山植物が、ここでは平地で見ることが出来る。
もう一箇所のキャンプ場に行ったら、鹿児島組みと姫路組が泊まっていた。
2日間で礼文島の四駆の車で入れるところは殆ど入っていって、もう行く所が無くなったので利尻島に渡ることにした。

利尻島の鴛泊港へ昼前に着き、何箇所かあるキャンプ場を見て回った。島の東側は殆ど天気が悪く霧雨が降るような天候であったが、西側は反対に風は強いが綺麗な青空であった。
島の中央にそびえる利尻山は、「利尻富士」とも呼ばれ、日本百名山の一つにも選ばれている万年雪をかかえた標高1721m.の高山で、この山を境にして天候が大きく変わっている。
島の西側の沓形岬キャンプ場でテントを張ることにしたが、強風のため我々の安物のテントは殆ど地べたに這いつくばってしまい、役に立たないので車中泊とした。

  礼文島の猫岩      利尻富士と満月     沓形から見た利尻富士  万年雪をいだく利尻富士

宿泊の準備をしているとフエリーで会った鹿児島組がやってきて同じところで宿泊することになった。
この日の夜は地元の漁業組合の人が取れたてのホタテとヒラメを差し入れてくれ人達とたので、早速私が持参した包丁で刺身にしてキャンプ地の皆と漁師の人達で大いに話が弾んだ。
ここでキャンプしている人達は、男も女も遠くは鹿児島から大阪、名古屋、豊橋、横浜、東京、千葉と全国から車やオートバイ、自転車で来ており、又年齢層も20才代から70才代まで幅広く、実に話題が豊富で面白い。
お互いに名前も語らず、一期一会の気持ちで一時の出会いを大切にしている。これが旅の楽しさか・・・

7月14日  朝の気温14度 晴れ
天気が良いので島を一回りして有名な利尻のウニを食べることにした。ウニ丼3500円はチョッと高いと思ったが、評判どおり実に旨いウニであった。午後前日に約束した島の少年と釣りに行くことにした。岸壁からイソメの餌で釣り糸をたれると、結構いい型のアイナメやメバルが釣れて来る。夕食に刺身で食べることにした。
夕方、近くの温泉に入ってキャンプj場に帰ってくる途中、西の空が真っ赤でまさに夕日が沈むところであった。この夕日の下の部分が水平線に隠れる頃から四角になり、その後にだるま型になって水平線の下に沈んでいった。噂に聞いた四角い夕日を見ることが出来たが、残念ながら風呂の帰りでカメラを持っていかなかったのが悔やまれる。キャンプ場に帰ったら皆は酒盛りの最中で誰も夕日を見ていなかった。この四角い夕日の話を皆に話したら、土地の漁師の人は数年に一回くらいはそのような夕日を見ることが出来ると話してくれた。
実に貴重なシーンを見ることが出来、感激である。利尻に来てよかった・・・

                          前編の終わり