その1:激流迫る谷底の秘湯「祖谷温泉(いやおんせん)」
住所:徳島県三好郡池田町松尾寺字松本367−2
ホテル祖谷温泉:0883−75−2311
四国の徳島県の外れで、四国中心部の深山にある日本三大秘境の祖谷渓谷にある一軒宿のホテル祖谷温泉は、四国山地の主峰剣山を源とする祖谷川が深く削った渓谷の中腹に這いつくばるようにして建てられている。
この温泉の露天風呂はケーブルカーに乗って42度の急勾配を170m.下った谷底にあり、一滴の水も加えることなく、また沸かしもしない源泉100%のままの、39.3度のぬめりのある単純硫化水素泉が、岩風呂に注ぎ込まれ、白い湯の花が浮いた湯船は白濁して見える。湯は少しぬるいがゆっくりと一時間位入っていると体の芯から温まって湯上りの体はぽかぽかと温まってくる。
谷底から見上げる狭い空のずいぶん高いこと、これ程の野性味あふれる露天風呂はそう無いだろう。
その3.函館椴法華村の「水無海浜温泉」
函館から国道278号線を東に1時間半位走ると椴法華村(とどほっけむらに着く。その先の恵山岬北側の最奥にある波打ち際の温泉で、コンクリートと石で固めた湯船がいくつかあり、津軽海峡を眼前に眺めながら、夜にはイカ釣り船の漁火を見ながらの入浴は実に雄大で気分がいい。
ただし、この温泉は干潮時には源泉温度が60度位あるので、チョッと熱過ぎて入れないし、満潮時には湯船が海中に沈んでしまうので冷たすぎて入れない。
適度に海水が混じったタイミングを見て入浴することが必要だが、椴法華村の振興課や、近くのホテル恵山でも入浴適時間を教えてくれるので、事前に確認してから行く方が良い。
浴槽は3つあるがそれぞれ高さに差が付けてあり、このため海水の混入する度合いが違ってくるので、お湯の温度がそれぞれ違ってくる。
湯船は平成15年夏に改造されてきれいになり、チョッと離れた所に男女別の脱衣所が造られたが、素っ裸での入浴は、夜の暗い時でないとかなりと勇気がいる。もちろん混浴で水着での入浴は可能。
ホテル祖谷温泉の部屋から見た谷底の露天風呂とケーブルカー
このケーブルカーは、自動運転で最終が5時であるので、残念ながら夜好きな時に露天風呂に入ることは出来ない。
祖谷川のほとりにある露天風呂は、硫黄の匂いがする白濁したお湯で、温度が低いので肌寒い日にはなかなか湯からあがれない。
秋には全山紅葉して素晴らしい眺めの露天風呂になるだろう。
平家の落人伝説で知られた祖谷渓谷。この上流には、そのシンボルともいえる「かずら橋」があり、自生するカズラを編んだ長さ45m.の吊橋で、渡る事が出来る。
この山の中腹に道路があり、ホテル祖谷温泉へはバスが1日3回JR池田駅から約一時間掛けて上ってくるが、道幅が狭くバスと遭遇するとすれ違いが大変である。
日高川のほとりにある龍神温泉の露天風呂。川岸には桜の木が植えてあり、桜の咲くころは風流な露天風呂となるだろう。
湯は無色透明のラジウムの放射量が豊富な重曹泉で肌がつるつるとして、美人になったような気がする。
その4.大正天皇の銀婚式の日に掘り当てた「銀婚湯温泉」
渡島半島の太平洋側噴火湾沿いの落部(おとしべ)から、日本海側に抜ける道道67号線を落部川沿いに約10km.程登っていくと、途中に「温泉旅館銀婚湯」がある。
この温泉は、古くから先住民族が狩猟のおりおりに汗を流し、時には療養のために常浴していたようであるが、明治戊辰の役(1868-69)の際、榎本武揚が負傷者を湯治させたところ、その効用に驚いたと言われている。
大正14年5月に川口福太郎が開掘し、熱湯大量湧出に成功し温泉宿建設に取り掛かった。
時あたかも大正天皇銀婚の佳日に当たり、それにあやかって「銀婚湯」と命名した。
落部川の銘石を配した大浴槽からやや赤みを帯びた湯があふれていて、昼間のことで誰も居ないこの大浴槽に一人ぼっちで浸り心ゆくまで湯浴みを堪能した。
また、落部川の清流に架かるつり橋を渡ってしばらく行くと、森の奥に丸太をくりぬいた露天風呂がある。
にれの木陰で、人工の音が全く聞こえない、ただ鳥のさえずりと瀬音を聞きながらの湯浴みは、なんとも言えぬ至福の時をあじわせてくれる。
本館の露天風呂と大浴場
肌触りも石鹸の泡立ちもすこぶるいい名湯である。
森の中の川淵に丸太をくりぬいた浴槽と、木製の小さな浴槽がある露天風呂で、写真のようなつり橋を渡って行く。
この露天風呂は宿泊者専用で日帰り入浴はお断りとのことであったが、無理を言って使用させてもらった。
(写真をクリックして下さい。)
左の写真は潮が満ちてきて湯舟が海中に沈んだ状態。
右の写真は工事中の写真で湯舟のお湯は抜いてあるが、前方に見えるのが津軽海峡で、左手に見えるのが恵山岬である。
その5. 北海道で最も高い山旭岳の麓にある「旭岳温泉」
北海道で最も高い標高2290m.の旭岳の麓にある旭岳温泉は、昔は湧駒別温泉と呼ばれていた名湯で、旭岳の「姿見の池」や「地獄谷」などを回って一汗かいた後で、今登ってきた旭岳を眺めながら汗を流すにはちょうど良い温泉である。
ホテルの小さな露天風呂はやや熱めの澄んだお湯で、泉質は硫酸塩泉である。
その6. 「北の国から」で人気が出た「吹上露天の湯」
標高約1000m.、十勝岳の入口の針葉樹に囲まれた山中に湧く温泉で、多分北海道で一番高い所にある温泉だろう。周囲は深い森に覆われていて、駐車場から5分くらい歩いた所にある。
渓流沿いに造られた浴槽は2つあり、どちらもやや熱いお湯で混浴である。
この簡単な殆ど屋根だけの脱衣所がある全くの山の中の露天風呂は、かってドラマ「北の国から」で、真冬の雪の中で田中邦衛と宮沢リエが混浴した場面で有名になった温泉である。
この温泉には地元の定連さんが多く、のんびりと入浴して毎日来ている人が多いようだが、女性は素っ裸ではやはり入りにくいようで水着を着けていた。宮沢リエは素っ裸だったようだが・・・
このように俗化されていない自然のままの露天風呂が、露天風呂の原点ではないだろうか・・・
写真左が上の浴槽で温度がかなり高く、チョッと入るのには勇気がいる。右が下の浴槽で、少し水で薄めているので温度が低くなっていて入りやすい。
天気の良い日には地元の常連さんは傘をさして入浴している。
その7 知床の秘湯「カムイワッカ湯の滝」
野趣あふれる北海道の露天風呂の中でも、最も自然の醍醐味を満喫させてくれるのが、知床半島のウトロ側最奥にあるカムイワッカ湯の滝だろう。硫黄山の噴火口から湧き出す熱湯がそのまま湯の川となって流れ落ち、いくつかの滝壷が沢水と混ざり合って程よい温度の湯壷になっていて、人間の手が全く加えられていない自然のままの露天風呂である。
この温泉に行くには、知床林道の一般車の終点である知床大橋を渡った所から、沢を20〜30分登らなければならない。川の湯水の中を登るため、素足では滑って危険であるので、スニーカーか、橋の袂で500円で貸してくれるわらじを履くと良い。登るに従ってだんだん湯温が上がってきて、20〜30分登って、汗をかき出した頃にある滝壷がちょうど良い温度の風呂になっている。この滝壷は背の立たない位の深さの所もあり、周りは硫黄の匂いが立ちこめ岩は黄色く変色している。もちろん脱衣所も無く、入浴する人は皆水着を着ている。
この滝壷のお湯の温度は雨の後などはやや温度が低いかもしれないが、これより上はかなりの急斜面で危険なので登らない方がいいだろう。
観光シーズンは相当の人出を覚悟した方がいい。
左の写真は滝壷までの沢登の状況。
右の2枚の写真は入浴に適した滝壷の写真で、これより上は危険です。
その8 知床の山中岩尾別温泉にある「地の涯温泉」
ウトロから知床自然センターへ行く道の途中から右に折れて、羅臼岳の登山口にある岩尾別温泉のホテル地の涯の露天風呂は、岩尾別川沿いの急斜面に3つの浴槽が階段状に造られた原生林の中の静かな温泉である。この温泉を過ぎて岩尾別川に沿ってしばらく登ると「滝の見える温泉」がある。この温泉の浴槽は2人も入れば一杯の小さな浴槽だが、素朴で俗化していなくてなかなかいい。
どちらの温泉も脱衣所が無く、近くの岩場に脱ぎ捨てていかなければならず、女性にはチョッと入りにくいか・・
泉質は食塩泉で源泉は61度である。
ホテル地の涯の前にある原生林に囲まれた「地の涯温泉」
浴槽はトルコパムッカレの石灰棚のように3段になっていて、上から順にお湯の温度が低くなっているので、熱い風呂が好きな人は一番上の浴槽へ、ぬるい風呂が好きな人は一番下の浴槽に入ると良い。
地の涯温泉から10分ほど岩尾別川に沿って登った所にある「滝の見える温泉」で、一人でのんびり入るにはちょうどいいかも。この上に滝があり名前の通り浴槽に入りながら滝が見える。
その9 羅臼山中の秘湯「熊の湯」
羅臼から知床横断道路を知床峠の方に登っていく途中で、駐車場から歩いて5〜6分の所にあり、道路を隔てた反対側には羅臼国営キャンプ場がある。この露天風呂は男女別に分れており脱衣所もあり入りやすい。
湯は含食塩硫黄泉であり、なめるとチョッとしょっぱいが、石鹸の泡立ちも悪くない。
すぐ下を流れる羅臼川のせせらぎが爽やかで、地元の常連やキャンプ場の宿泊者でいつも混んでいるようだ。
原生林の中にあるこの露天風呂は、名前の通り熊も入浴しそうな温泉で、羅臼川の川沿いに男女別に作られている。
その10. 屈斜路湖の唯一の半島和琴半島の付け根にある「和琴温泉」
原生林に囲まれた大カルデラ湖「屈斜路湖」の南から突き出た和琴半島の付け根にあり、周囲に物陰の全く無いオープンな露天風呂で、泉質は単純泉、無色透明のお湯の底の砂地から気泡と一緒に温泉が湧いているのが分かる。お湯の温度は43〜44度でやや熱めで神経痛や運動器障害などに効果があるそうです。
全くオープンな混浴の露天風呂で、少し離れた所に男女別の脱衣所があるが、周囲は観光客が大勢散策しているので、男でも素っ裸での入浴はかなり勇気がいる。
和琴半島の自然探勝路を反時計回りに10分位行くと、湖岸に公衆浴場がある。この温泉は湖岸ぎりぎりの温泉の上に建てられた小さな小屋の中にあり、付け根の露天風呂とは違って観光客も少ない。
その他この屈斜路湖の周辺には、無料で入れる露天風呂が「砂湯」、「池の湯」、「コタン湯」とあり、また有料の温泉では、「川湯温泉」を初め「三香温泉」など、硫黄山の地下を泉源とする温泉が豊富で温泉好きにはこたえられない。
和琴半島の付け根にある露天風呂。
周りは観光客で一杯。
半島の中ほどにある公衆浴場は、湖畔の森の木に包まれた隠れ家のような小さな小屋の中にある。
浴室いっぱいの大きなコンクリートの浴槽の底は、湖底のままで、薄く泥が溜まっているが、すのこが沈めてあり、お湯は浴槽の底から湧き出していて、かなり熱い。
左の写真はキャンプ場から見た浴舎
その11. 恐山の中にある温泉「古滝の湯」
日本三大霊場である恐山の山門をくぐった先の左手にある小さな小屋の中にある温泉で、不動明王に参拝する前に身を清めるためなのか、なんとなく普通の温泉と違うような気がしてきた。
お湯は硫黄の匂いがする透明のすっぱい硫黄泉で、やや熱めだ。この桧造りの浴槽に入浴すると身も心も清められてすっきりしたような気がする。「古滝の湯」は男専用であるが、同じような女性専用の「冷抜の湯」があり、さらに参道を奥にはいった右手には「花染めの湯」がある。この「花染めの湯」更に酸性が強いようで硫黄の匂いがツンと鼻をつき湯舟の底にはうっすらと湯花が溜まっている。
古滝の湯の湯小屋と桧造りの浴槽。。
その12. 奥薬研温泉の「夫婦河童の湯」と「河童の湯」
大畑川の清流の淵に造られた夫婦河童の湯。男湯と女湯の仕切り壁の上には仲の良い夫婦河童の像が建てられている。
大畑川の支流湯ノ股沢の淵にある河童の湯
この河童が慈覚大師を助けた河童である。
下北半島の奥座敷、薬研温泉郷から大畑川を2キロメートルほど遡ったところの清流の淵にある、俗に千人風呂と呼ばれている露天風呂が夫婦河童の湯で、少し手前の大畑川の支流である湯ノ股沢のほとりにあるのが河童の湯である。
この河童の湯は、恐山を開いた慈覚大師が道に迷い、足を滑らせて怪我をした際、河童が現われてこの湯壷に浸して治したと言う伝説に由来している。
これらの温泉を取り囲む周囲の渓谷は、季節ごとの変化を見せるうっそうたるヒバ林や落葉樹林からなっており、新緑の頃、紅葉の頃は美しい景観を見せてくれる。
夫婦河童の湯はレストハウスの奥にあり、湯舟の周囲は城壁のような石の壁に囲まれており、川に面する部分が開けてあり、湯舟からの川の眺めは素晴らしい。
河童の湯は、駐車場の入口に案内板があり、小さな脱衣所がある。